共産主義を三つの層で読み解く
思想・運動・体制を分けて考えれば、社会主義や資本主義との違い、ソ連と中国の歴史、現存する共産党政権、二十一世紀の論点までが見えてくる
共産主義という言葉は、ニュースでも教科書でもネットのミームでも毎日のように目にします。 それなのに、社会主義との違い、民主主義やファシズムとの関係、今どこの国が共産主義なのかを、筋道立てて説明できる人は多くありません。 混乱の原因は、一つの言葉に「思想」「運動」「体制」という三つの意味が重なっていることにあります。 理想を語る人と、収容所や飢饉を語る人は、多くの場合、別々の層について話しているのです。 本書は、この三つの層を分けて考えるという一つの視点から、二千年以上の共有の夢の前史、マルクスとエンゲルスの理論、ロシアと中国の革命、冷戦と東欧、現存する共産党政権、日本とアメリカでの受け止められ方、そして人工知能と気候変動の時代の新しい論点までを、全24章・約13万字でたどります。 国際機関の報告、各国の公表統計、裁判所や公文書館の資料、歴史学と経済学の研究をもとに、推計に幅のある数字は幅のまま示しました。 ダイジェスト目次 第1章 共産主義という言葉 一つの言葉に、三つの意味。混線をほどく最初の一歩として、定義と語源、各国語の呼び名を整理します。 第5章 共産主義と社会主義の違い 「同じもの」と思っていた二つの言葉の関係が、段階と方法の違いとしてすっきり理解できます。 第9章 スターリン体制と五カ年計画 工業化の成果と、その陰で失われた命。数字と仕組みの両面から、成果と代償を見比べられます。 第13章 中国の特色ある社会主義 共産党の国に、なぜ株式市場と富豪がいるのか。改革開放から現在までの変化の筋道がつかめます。 第14章 現存する共産党政権 今「共産主義の国」はどこにあるのか。ベトナム、ラオス、キューバ、北朝鮮の現在地がわかります。 第18章 共産主義はなぜうまくいかないのか 失敗は指導者の性格だけのせいなのか。経済と政治の仕組みから、行き詰まりの理由を考えられます。 第24章 二十一世紀の共産主義 人工知能と気候変動の時代に、なぜこの問いが戻ってきたのか。これからの論点が見通せます。 賛美でも嘲笑でもなく、確かめられる事実と仕組みから考えたい方へ。 学生のレポートや試験対策の土台として、ニュースの背景を知りたい社会人の教養として、そしてネット上の極端な主張に振り回されないための手がかりとしてお読みください。
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- ジャンル
- 社会・経済
- 形式
- 電子書籍